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世界遺産白神山地
わが心の白神

竹越 惠造
サイズ 四六判変型 120頁
本体価格 3,600円(税込 3,888円)



 白神山地は、青森県西南部の「暗門の滝」(西目屋村)、「十二湖」(深浦町)「くろくまの滝」・「ミニ白神」(鰺ヶ沢町)などから秋田県北西部にかけて広がる、およそ13万ヘクタールに及ぶ広大な山渓地帯の総称である。このうち、人為の影響をほとんど受けていない、およそ8000年の世界最大級のブナ原生林、約1万7千ヘクタールが1993年12月(平成5年)に世界自然遺産地域に登録されている。

-中略-

 狭い森の空からパッと広がる河原の夕暮れは、ときどき鳴くコノハズクの歌声は、静寂にふさわしく、ゆるく流れる渕のカゲロウを追いかけて、飛び跳ねるイワナの音さえ自然のハーモニーに聴こえる。暑い7月というのに、早朝の渓谷は、いつも肌に触れる空気はひんやりと心地好く、感動的な自然との対話ができるぼくの一番好きな時刻である。朝もやに煙る赤石川は、緑のトンネルが多く、一滴の水は、青森・秋田両県境を源に、ぼくが幾度も遡行し、つまずいたあの石をなめ、よじ登ったあの岩を越え、白神山地の名滝、魚止の滝に砕け、時には激しく、また時には優しく、約42キロメートルの長い旅路の果てに大海(日本海)にそそぎ、狭い空に浮かぶ雲になり、雨となって、またこの清流に還ってくるのだろうか……。と、思ったりする。

-後略-

         (著者 あとがき より)