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写し方見本帳 春夏秋冬

日本カメラ社編
サイズ B5判 112頁
本体価格 1,600円(税込 1,728円)

季節感は、風景作品ではとても大切な要素です。
その季節らしい雰囲気を強調するにしても、逆に省略するにしても作品の印象の決め手になるのが季節感です。
「風景=季節感の表現」という部分に着目して、作品とその写し方・生かし方を特集しました。

※ 1年を 3ヶ月ずつ分けて春夏秋冬に当てていますが、撮影場所と被写体によっては季節がずれ込んでいる場合もあります。

【春】3・4・5月
・灰色の季節から徐々に明るい色が増える頃、この花に来る季節への憧れを込めた
・春をイメージさせる黄色を画面いっぱいに広げ、この季節の優しい雰囲気を表現する
・桜咲く春の朝日には心地よい印象が強く、心膨らむような華やかな温もりを感じる
・もっとも効果的に見えるアングルや露出を追い込み、自分好みの一枚に仕上げる
・季語では夏「虞美人草」とか「ひなげし」などと表現されるポピーのイメージはまだ春
・菜の花とショカッサイは春の季語、暖かく華やかな雰囲気を青空・雲とともに描く
・新緑と赤いオブジェ、そして高層ビルで都会の美しい色彩コントラストを描く
・小粒ながらも夏の草むらで存在感を示すアカバナ。この花を通して片隅の夏をとらえる
・花壇に咲くマーガレットを主被写体に、春らしい明るい雰囲気に仕立てる
・藤棚を広角レンズでローアングルから逆光で写すことで、初夏のさわやかさを表現
・あたかも水が滴りそうなほどに緑が瑞々しく美しい、新緑で生気溢れた春山「山笑う」
・雪解けの声を聞いて咲き出す水芭蕉の群生する姿で、山の春を表現する
・新緑の季節感を強調するために、濃淡さまざまな緑の色で画面を構成する
・芽吹きと桜が点在する一画を切り取り、春の訪れが遅い沼の景色を描く
・ブナの葉の新緑と雪の根開けはクリアに、流れる霧で森の奥を白く霞ませる
・残雪とスモモ(李)の花は春の季語、新緑の温もりとは違った肌寒い空気感を表現する

【夏】6・7・8月
・新緑に囲まれ苔の岩肌を縫って流れ落ちる滝、日陰にある優美な落水の姿をとらえる
・風に揺れ逆光に輝く大麦の穂と、畑の中に点在するヤグルマギクに初夏の彩りを見る
・二つの色調をパターン的に、ラインは曲線を描くように、夏の色合いとしてまとめる
・初夏の牧場を彩る満開のレンゲツツジを、漂う霧を生かして神秘的な情景とする
・赤い葉は秋の紅葉を連想させる。花を一輪入れることでスイレン咲く初夏を表現
・夏の季節感を強調する青空を背景にして、ユリとのコントラストを大切にする
・夏を代表するヒマワリ畑を、花の密度を重視した構成で朝霧をアクセントにする
・クッキリと見える天の川を中心に、満天の星空の美しさ・輝きを表現する
・対岸の原生林から太陽が昇る最適な時期の朝景色をとらえ、短い池の夏を描く
・夏のトップライトを反射する水面の煌めきと水草の白い輝きを、水鳥を絡めて描く
・花の色彩で鮮やかさを出し、花に落ちるオシベの陰で光を表し、盛夏を写し込む
・うねるソバ畑を、朝焼けの空と朝霧の中で一本の木をアクセントに描く


【秋】9・10・11月
・スポット光が走り棚田に生まれた陰影で、色づいた黄金色の稲の色彩を強調する
・暦など分からない幼少の頃、村外れに咲く曼珠沙華が初秋を知らせてくれた、という雰囲気を
・彼岸の頃の高い青空と花の鮮やかな赤色とを組み合わせて、心地の良い季節を感じさせる
・満開のヒガンバナいっぱいに付いた雨の雫。赤色の中に雫のきらめきを散りばめる
・秋の夕暮れのほんのり色付いた光で、可憐なコスモスを柔らかく包み込む
・雄大な山並みを背景に色鮮やかに紅葉したナナカマドで、高山の秋を描く
・紅葉の木々に囲まれた沼にたなびく霧を生かして、しっとりした秋の風情を描いた
・樹林を映す沼、水面に浮かぶ落葉を前面に強調して、静かな晩秋の風情をとらえる
・葉の落ちた木々による光芒を生かして、山稜を流れる滝雲を強調する
・新雪の積もった山と黄葉の盛りの樹林を、池の水面の反映像とともに描く
・寒い季節、この花の黄色を目にした時の陽だまりのような暖かな気持ちを表現する
・寒い朝の雰囲気を描写するために、チカラシバだけでは効果が薄いため降霜を生かす
・霜をまとったブルーベリーの紅葉で、放射冷却で冷え込んだ朝の空気感を表現
・秋の季節感が漂う夕焼けの空、雲の輝きを大切にして空の高さや広がりを表現する

【冬】12・1・2月
・冬の印象的な夕焼けのシーンを、より印象的なフレーミングでとらえる
・紅葉を画面に入れることで季節感をアップ、より変化のある構造物の写真に
・枯木立は冬の季語。シラカバやダケカンバがすべての葉を散らせた後の冬装束をとらえる
・海に臨む急斜面、冬の寒風に負けずに凜と咲き誇る日本水仙を夕景としてとらえる
・雪に覆われた野を割って流れる川に、わずかに差す日差しの温もりをとらえる
・春といえばピンク色(まだ冬だけど)。可愛らしいサイネリアの一輪を、暖かい春色で包み込む
・冬に咲く花であるが、清楚でやさしい花の雰囲気を大切に春に向かう季節感を出す
・日中の暖かさに春の気配を感じた日。早春の光に白梅の清楚な姿を重ねて

撮影・解説
大浦タケシ・落合由賀里・小松毅史・斎藤友覧・佐藤 尚・新海良夫・前田絵理子・丸林正則