東京に生まれ、東京で生業を続けてきました。生まれたところも、職場も、住まいも都心のど真ん中。気がついたら、いつもカメラを持って東京を撮っていました。
自分の居住区を中心にシャッターを切り続けました。相棒は“チャリンコ”身の回りだったら、これほど頼りになる相棒はいません。遠征したのは船橋か大井あたりまで。集中しているのは池袋や新宿。ドキドキハラハラしながら、シャッターチャンスを狙います。
おびただしい写真が手元に残ったとき、これを写真集にしようと思い立ちました。そう思うと、楽しくて仕方がない。うずたかく積もった写真がなんのその。手ブレもあります。それも面白いとしました。
これだけの東京を並べたら、やっぱり東京は面白いと思わずにはいられません。川中子俊二の東京は、ご覧になる人の東京でもあります。