「被写体がなかなか見つけられなくて……」あるいは「被写体は見つかって撮ったのですが思ったようには撮れなくて、そこからどうすれば思ったような写真が撮れるのかわからない」という声が聞こえてきます。
美しい花を自分の想いを込めて撮りたい。でもいざ撮影してみると、自分が撮りたかった花とはどこか違うという経験を持ったことはないでしょうか。こんなふうに撮りたいと思っても、ひと工夫ができていなかったり、なんらかの味付けたりずに納得のいく写真にならないことは多いのです。
被写体の見つけ方と完成までのアプローチは、概ねどういう写真を撮りたいかという意図、狙いによって決まってきます。
具体例をあげて考えてみましょう。2月のある晴れた日に「ウメの花を撮りたい」と思います。しかしこれだけでは被写体を発見するのは難しいです。そこで「日中、早春の光を浴びて暖かそうに咲きほころぶウメの花姿を撮りたい」ということにすれば、被写体は直射光を浴びている花。そして暖かそうに咲きほころぶということは白よりも暖かさを感じる紅梅やピンクの満開の花を順光(暖かさを感じる光)で見つけるということになります。これなら発見できるでしょう。さらに暖かさを出すなら背景にはボカしたピンクの花や青空を選ぶというようにアプローチしていきます。
そこで本書では被写体の見つけ方と発見から完成に至るまでのアプローチの仕方をポイントに、狙いとその結果をQ&Aと〇×式で作例とともに解説しました。被写体が発見しやすくなれば気持ちが楽になり、アプローチがうまくいけば撮影は楽しくなるでしょう。参考にしていただき、日頃の花撮影にお役立ていただければ幸いです。
〈登場する花々〉
第1章 春編
サクラ、チューリップ、タンポポ、ネモフィラ、フジ、スズラン、ポピー、バラ、ヤマボウシ
第2章 夏編
ハナショウブ、クチナシ、アジサイ、ユリ、ハス、ヒマワリ、アサガオ、レンゲショウマ
第3章 秋編
ハギ、オミナエシ、キンモクセイ、ソバ、ヒガンバナ、コスモス、サザンカ
第4章 冬/早春編
スイセン、ウメ、セツブンソウ、フクジュソウ、枯れアジサイ、ヒュウガミズキ、ユキワリソウ、ミツマタ、カワヅザクラ、カタクリ、モクレン、コブシ、ツバキ、ナノハナ、ミモザ
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